2009年8月5日水曜日

迎賓館を参観


「迎賓館 赤坂離宮」を参観してきましたよ。
4年ぶりの一般公開ということで、5月に応募の葉書を出したら
当たったんだ。ラッキーでした(^^)

迎賓館は、明治42年(1909年)に東宮御所として建設されたもので
日本では唯一のネオ・バロック様式の建築物だそうです。

それを平成18年から約3年かけて大規模修繕して、今年4月から再び
使用するようになったので、新装直後のきらびやかな建物を見学できた。


入口は正面ではなく、西門から。

セキュリティは厳しくて、身分証明書を提示したうえ、手荷物検査、金属探知機によるチェックの後、受付で受け取ったバッジを胸につけて、いよいよ館内へ。



今回公開されたのは、「彩鸞(さいらん)の間」「花鳥の間」
「中央階段・2階大ホール」「朝日の間」「羽衣の間」
という名の部屋。
ここを音声案内やボランテイアの方の説明を受けながら見て回ります。

修繕・改修が済んだばかりなので、壁は真っ白だし、金箔は鮮やかに
輝いているし、銅の雨樋にも曇りが無く建物全体がとても明るい。

この建物は、明治人がフランスを真似しただけさ、なんてとんでもない。

床はイタリア産、また円柱はノルウェー産の大理石を使い、
シャンデリアはフランス製、それに西陣の金華山織の織物、
七宝焼きを使った壁面の装飾、燭台やマントルピースまで
当時、日本の国力と工芸技術の粋を集めて仕上げたことが分かる。
ベルサイユ宮殿より小さいけれど、技術の水準はずっと
上回っている
、とボランティアのガイドさんが教えてくれた。

見学の様子(彩鸞の間)

これ気に入った

このガイドさん達が、楽しそうにしているのがまた良いんだ。
合間を見つけてはお互いに知識を交換していて、ああこの
建物が好きなんだなあと感じた。

各部屋は、それぞれ使用目的とテーマが与えられている。
室内の装飾様式も、フランスを手本にしているんだけど
16世紀から19世紀までの幅広い時代を参照していることから
その変化が大きくて、部屋に入るたびに驚かされる。

各部屋には、名前の由来でもある天井に描かれた大絵画が
あって、これはフランスに特注されたもの。
(建物全体の設計や工芸品や装飾の統括は日本人)
これがまた豪華なんだな。彩鸞の間と朝日の間は勇ましく、
羽衣の間は優しく。各部屋のテーマに合わせて描かれている。

それでも、迎賓館になる前は、ものすごく劣化していたそうで
いま美しいのは、すべて修繕の努力によるものだそうだ。
目立たないことだけど、修復技術の発表会でもあるのね。

特に素晴らしいと教えられたのは「花鳥の間」の壁を飾る
楕円形の七宝。
下絵を日本画家の渡辺省亭が描き(これがまた独自の手法)、
明治期の七宝焼の涛川惣助が焼いた「七宝花鳥図三十額」と
いうもので、細かい線、微妙な色彩は絵筆で描いたと思うくらい
綺麗で鮮やか。

それと驚くのは、「羽衣の間」の3基のシャンデリア。
迎賓館で最も豪華なもので、およそ7,000個の部品で
組み上げられていて、高さは3m、重さは800㎏。
これは世界一のシャンデリアとのことです。
このシャンデリアは天井裏で太い鉄柱で支えられていて、
建物全体ががっちり作られていることもあり、関東大震災でも
びくともしなかったそうだ。
そういえば、館内ではセミの声はまったく聞こえなかったな。

ここは大正天皇のために作られた建物だけど、豪奢すぎるとして
ほとんど使用しなかったそうだ。
昭和天皇も同じ理由で、居住したのはごく短期間のみとのこと。
時の政府が国力を示威する意図もあって作った建物であり
当然に東宮が住まうものとしていただろうに、それを断った
という話は、なんだか天皇の人間性が垣間見えて興味深く思った。





建物内を見た後は庭に出ましたが、館内撮影ができなかっただけに、
見学者の皆さんは庭から建物の撮影に奔走してた。気持ちは分かる。


迎賓館の一般参観は、国賓が来ない夏のこの時期にあるそうです。
来年は、京都御所の見学に申し込んでみようかな。
 

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