2009年8月11日火曜日
AAF学校 思考の基礎体力#2
2回目のレクチャーは新川貴詩さんの「芸術と戦後史」。
かつてこれがあったから、今これがあるという美術の流れ、美術が日常と関わるようになってくるまでを概説する内容だった。
そして、いまはあらゆるところが展覧会場になりうることを、商店街や廃校、工場、アパートの一室(淀川テクニックも登場!)、別府温泉、路上などの事例紹介があった。
アートとデザインの違いに触れて(デザインは計画に基づいて作られる。
アートにも計画はあるが、そこからずれていく)、「作家がアトリエで
作って、それをギャラリーで展示してということよりも、いまは、
(街中などの人々の中に入っていって)プロセスの中で生まれてくるもの、
行方の分からないものに興味がある」という話には共感できた。
一方で、「タイトルを戦後史としたのは、絶対に戦前に戻ってほしくない
という願いからだ。いま地方分権を言っているが、デメリットも考慮しないと。
分権を推し進めていくと、国に残る仕事は外構と軍事、それは軍事を強くする
ことにつながっていく、甘いことには騙されないでほしい」という発言は、
ぼくにはピンとこなかったな。
質疑応答になり、会場から、いま、日本の各地でアートによる街づくりを
しようとしているが、それはどのように見えるのかという問いがあった。
それに対して、鳥の演劇祭の事例を引いて、「鳥取の廃校なんて
人の減っている土田舎だって、世界に名だたる劇団を呼んできてしまう。
そしてそれを、普段は芸術に縁の無いおっちゃんが、この祭は鳥取の宝だと
言ったりする。地方ならではの面白い動きがある。地方にも可能性がある。」
と、(少し意外なほど)肯定的な回答があった。
次回は9/6の日曜日。
ダムタイプの作品〈S/N〉を見た後、トークセッションとなる。
アーティストはどのようにしてアーティストたるるのか?
アーティストではないぼくらが、どのようにアートに関わっていくかを
話し合う場になるようだ。
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