2010年2月19日金曜日

New Overpainted Photographs


東京アートビート(TAB)のiPhoneアプリを入れてみて、立ち上げたら
現代絵画の巨匠、ゲルハルト・リヒターの4年ぶりの個展を開催!とあった。
場所はギャラリーWAKO WORKS OF ART、名前はNew Overpainted Photographs。
職場近くであり勤務後に行ってきた。



リヒターって、どんなお人だったけ。
出かける前にwikiで調べてみた
・ アイロニカルに、現代資本主義の現実を描く。
・ 作品作りでは、概念や思想を排している。
・ 最も有名なのは、初期の頃から製作されているフォト・ペインティング。
・ 絵画の不可能性/可能性を、様々な試みをもって探っている。
ふむ。予備知識はこのくらいでいいか。


水道道路をトコトコ歩いていくと、ポロロッカの少し先にWAKOはある。
夕方なのにポロロッカは閑散としてレジ係は暇そうだ。


WAKO二つの部屋からなる小さなギャラリー。

一つ目の部屋は、絵画が2点。
入って右側に大きな作品「Abstraktes Bild」、左側に小さな作品「WAND」。

監視役の女の子がひとりいる。部屋に入ると会釈をして、それから黙々とPCに向かって何かを打ち込んでいる。

近寄ったり後ろに下がったりしながら眺めていると、だんだんと色使いの多さ、筆跡の変化が分かって面白い。意味や物語は分からないけど、いつのまにか、なにかの横顔を投影して見ていたりする。



二つ目の部屋は、別のギャラリーを挟むようにして、奥にある。
こちらは、フォト・ペインティングの作品が多数展示されている。

外国の郊外の家の庭で平和そうな午後に写した家族と犬の写真。
それに絵の具を乗せている。
抽象画を重ねられた写真は、元ののどかな写真とは全くの別物になっている。



これが、ドイツの大画家リヒターの作品なのか?
面白いとは思うけど、なぜ大御所なのかはいまひとつ分からない。

戻って、PCで検索したら「ピースフル・アート・ランド びそう」の
ホームページが参考になった。

そこにリヒターの言葉が引用されているので、一部メモ(孫引き)。
「私は小さな写真を撮って、その上に絵の具を擦りつけました。
 写真についての問題はそこに集中的に現れています」

「我々が見ている現実をあてにはできません。
 人がみるのは、目というレンズ装置が偶然伝え、そして日常の経験に
 よって訂正された映像だけ
なのですから。それでは不充分であり、
 みるものすべてのほんとうの姿はべつなのではないか、と好奇心を
 もつからこそ、描くのです」


このリヒターの考え方はよく理解できる。
そこから振り返ってみると、リヒター目には見えないけど感じるべきものに
アプローチして、それを絵に落とし込んだのだろう。
だから「何だろうこれ、どうも心がざわざわする」って感じになるんだな。

フォト・プリントを欲しいとまでは思わないけれど、またどこかで見たいね。
 

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