2010年2月5日金曜日

よみがえる土門拳


先日、勤務後に東京工芸大の写大ギャラリーまで歩いていった。
「よみがえる土門拳」~「古寺巡礼」新プリント公開というのを
見るためだ。

   
ギャラリーのリニューアル工事竣工を記念する展示だそうだ。


高校生の頃、現国の副読本で「走る仏像」を読んでというもの
土門拳が気に入っている。刷り込まれたんだろう。雛鳥と同じだ。

東京工芸大学は、土門拳の写真作品を約1200点も収蔵していて、
これは最大級のコレクションだそうだ。
今回はその中から古寺巡礼の一部を再プリントして展示している。

「古寺巡礼」は、1950年代~70年代にかけて土門が日本各地の
古い寺院や仏像などを撮影した写真をまとめた作品だ。



写真を見ていると、土門が丁寧に写し取ったことが感じられる。
たぶん何度も現場調査をして、もっとも仏像が見えやすい時間を
見つけたんだろう。
そしてフィルムにしっかりと落とし込んでいく。

シャープで充分な明るさがあって、その場で裸眼で見るよりも
ずっと仏像の姿を明らかにしている。

それでいてオリジナルの色調は、なんだか懐かしい感じを
呼び起こす。不思議。

風景のうち写し取る部分の取捨選択は大胆で、そのため
画像がはっきりとしている。それも見易さになっている。

なにより、写真がでしゃばっていないのがいい。
きっちりと作りこまれた写真作品の力によって、見るものは容易に
寺院のある風景の中に入っていったり、仏像と向かいあったりできる。

会場には42点が展示されていた。
そのうち
 法隆寺遠望(幸前より)
◎中宮寺観音菩薩半跏像
 薬師寺遠望(七条大池より
 薬師寺東院観音菩薩立像(聖観音)
 唐招提寺金堂遠望
 平等院鳳凰堂正面全景
◎平等院鐘鳳凰堂夕焼け
 浄瑠璃寺金堂四天王立像の内増長天全身
◎飛鳥寺金堂釈迦如来坐像面相詳細
がとくに気に入った。



いいモノを見た、と喜んで外に出たら雪が降っている!
新宿駅までの30分が遠かった...
 

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