2010年2月3日水曜日

首相の施政方針演説に思う


新聞各社の意見は総じて否定的でしたね。


日経「自らの言葉の重みをかみしめ、責任感を持って実現するよう首相に求めたい」

読売「危機打開の決意が足りない」

朝日「聞く方が気恥ずかしくなるほどの理想を語り続けた」

毎日「具体論に乏しく説得力に欠ける」

西日本新聞「理想と現実の落差を浮き彫りにしてしまった」

北海道新聞「説得力のある数値目標を欠いては国民も期待しようがない」


理念先行という批判をしたい気持ちも分かる。

でも、理念を実行する予算(計画)は国会でみっちり審議すればよい。
まず最初は、何を考えているか、の話をするべきなんだから
ここで問うべきは首相の本気度ではないかな?


「いのちを守りたい」というコトバが、心の中から出てきたのか?
それとも彼が賢い頭で考え出しただけなのか。


「未来を担う子どもたちが、自らの無限の可能性を自由に
 追求していける、そんな社会を築く」

「すべての人が社会との接点を持っている、そんな居場所と
 出番のある、新しい共同体のあり方を考えていきたい」

「いつ、いかなるときも、人間を孤立させてはなりません」

「少しでも地球の『残り時間』の減少を緩やかにするよう、
 社会を挙げて取り組むこと。それが、今を生きる私たちの
 未来への責任です」

「私たちが目指す新たな『成長』も、日本経済の質的脱皮による、
 人間のための、いのちのための成長でなくてはなりません。」

この言葉が本気なら、もう少し任せてみたい、とぼくは思う。

還暦過ぎたおっさんが、想像力を働かせてこうしたことに
気付いたのなら、面白いじゃないか。



世の中には、山崎拓とその背後にいる人たちのように
古臭い昭和の残滓を引きずっているおっさんがまだまだ大勢いそうだ。
(詳しく知らないけど、そんな印象がつよくある)

そういうおっさん達は戦争を生き残り、そして豊かさを求めて働き、
右肩上がりの経済成長を享受した良い時代へのノスタルジーがある。
熱気渦巻く中国の話を見聞きして、日本は沈んでしまうという焦りも
あるのかもしれない。
でも、昭和が終わってもう20年以上が経つんだぜ。

新聞は批判が仕事だろうけど、その批判の物差しが古びてないか
それもちっと考えてくれるといいな。

ハッピーになるために必要なものは何か?
そろそろ、競争の先にある未来について考えるときだろう。

 

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