2010年2月20日土曜日
CREセミナー
「企業価値を創り出すこれからの経営と不動産戦略」に行ってきた。
以下、参加メモ。
○IFRS(国際財務報告基準)により予想される不動産保有への影響
IFRS導入は、資本市場を重視するイギリス・アメリカが主導している。
これまでのP/L(損益計算書)から、B/S(貸借対照表)重視になっている。
また、「情報開示」に特化した考え方を採っている。
そのため公正価値(※)測定を重視している。
公正価値では、財産の最有効使用をとるが、これは鑑定基準による
評価額と差が出る可能性もある。これは議論の途中。
※…測定日(期末)において、市場参加者の間で秩序ある取引が行われた
場合に、資産の売却によって受け取るであろう価格、または負債の
移転のために支払うであろう価格
不動産保有に関して予想される影響は下記のとおり。
1) 不動産保有について、投資効率や収益性が強く問われる
2)SPCが、連結対象となる可能性が高い。
→不動産流動化(証券化)スキームを使うことが難しくなる?
3)リース会計の変更(全てのリース契約をリース資産・リース負債で
計上)の影響で、Sall and Leasebackを利用した不動産流動化
スキームが難しくなる。
またIFRSにより、経営管理上の見直しは会社の全部門に及ぶ。
1)経営計画・予算編成のあり方
2)業績指標のあり方
3)投資家への説明(利益の表現の仕方が大きく変わる)
4)人事評価制度のあり方(人事評価と企業業績が連動としている
場合、会計基準の変更で業績計上の仕方そのものが変わるため)
5)業務プロセス
6)社員研修(上記1~5のこと、IFRS時代にあった成果を出す能力)
会場は、おっさんが多い。部屋の色が黒い...
こういったところも、少し変えていきたいと思うなあ。
○最近の不動産市場に関する三菱地所の認識
1)キャッシュリッチ企業による自社ビル建替・購入が増えている。
背景:不動産価格の下げ止まり感、建築工事費下落、
オフィス賃料下落(フリーレントも拡大している)
2)優良収益不動産の取得意向は高まる。
資産ポートフォリオの見直しで10億程度の物件が動いてる。
3)一方でリストラ関連(M&A契機、本業不振)での資産売却が再開。
ただし、物件の取得意向を持つプレーヤは少なく、簡単には売却できない。
○三菱地所のビジネスモデル紹介
1)定期借地権を使った開発事例
2)プロジェクトマネジメントによる開発事例
窓から虎ノ門方向を望む。この眺めは気に入っている。
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