2009年9月11日金曜日
消費者庁の支払賃料
9月1日に開庁した消費者庁は、山王パークタワー(地上44階、高さ194.45m)
の4~6階の3フロアに入居しています。
家賃は年間で約8億円だそうですが、それに民主党が噛み付いたようです。
「高すぎる!」と。
なぜ高いと思ったのでしょうか。
「億」という単位を聞いて、反射的に批判しているのかな、
なんて感じてしまいました。
あるいは超高層ビルなんてゼイタクだ!というところでしょうか。
もっとも、行政の無駄をなくすように「監視」するのは当然です。
古くて小汚い庁舎で慎ましくやっている市役所や区役所がある反面、
さいたま新都心のようにピカピカでゆったりしている庁舎もあり
公務員の仕事場もピンキリです。
スリムな組織になっているか?
組織の使うファシリティ(オフィスやIT設備)は合理的か?
は当然のチェックポイントですね。
このニュースで、公共セクターのファシリティコストに注目が
集まるのはいいことです。これを機に見直し機運が起こればいい。
消費者庁はいずれ霞ヶ関にいくようです。
<消費者庁>高額家賃、批判受け「内閣府ビルに転居」 内田長官
9月8日10時40分配信 毎日新聞
消費者庁の内田俊一長官は7日、同庁が民間ビルに入居して
いるため年間約8億円の家賃がかかることに関連し「内閣府の
ビルの建て替え(計画)がある。来年、再来年というわけには
いかないだろうが、なるべく早く、そこに入居したい」と述べ
た。毎日新聞などのインタビューで答えた。
家賃については、民主党から高額過ぎるなどの批判が出てお
り、内田氏は「ずばぬけて高いとは思わないが、無駄がないか
点検は必要だ」などと語っていた。内閣府によると建て替え計
画は、同府敷地内に13階建ての「中央合同庁舎8号館」(延べ床
面積52,000㎡)を新設する内容。完成は 13年度末で、消費者庁
の入居は予定していないが、政府の方針次第で入居は可能だと
いう。【山田泰蔵】
霞ヶ関に行ったとしても、消費者サイドの役所として、官庁街に
潜り込んでしまわず、目立つ組織でいてほしいです。
一方で、家主としては、賃貸条件の公表に慣れていないので
公共の情報公開は痛し痒しといったところでしょう。
同じビルでもテナントごとに賃貸条件が異なるものです。
賃貸条件は、契約時期や面積、支払い方法、相手の信用度etc..の
総合的な判断で決定するものですが、賃料がオープンになると、
その数字がドンドンと一人歩きしてしまって、家主としては
ありがたくない事態(値下げしてよの依頼が増えるとか...)に
なるんじゃないかという恐れが強いのです。
報道では、消費者庁の「ビルが特定され、行政の評価が民間事業者
に影響する」という説明を批判的なトーンで紹介しています。
また、「内田長官は「立地と建物の機能面を最優先した」として、
賃料は重視しなかったと言明した。」と読売は書いています。
賃料の上限を設定して、その中で立地と機能から物件選択をする。
そういう総合的な判断を下すのは、民間事業者でも同じです。
これは読者をミスリードする記述ではないでしょうかね。
(読売は好きな新聞の一つなので、残念です。
もっと冷静な書き方をしてほしいものです)
家主としては、防災や環境の性能を高めたり、ビルの使い勝手を
改善して、なるべく賃料を高く設定しようと日々工夫をしている
のです。総合的な判断を否定され、評価軸がお値段一本になって
しまうのは、仕事を否定されるようで悲しいですね。
公共のやることは信用ならない、と疑いの目を強く持ちすぎると
全体最適からは遠い結果になってしまいます。
もっとも、千葉県庁の大掛かりな裏金事件を見るとなあ。
疑われても仕方のないことと思ってしまう。
公務員も、仕事を終えれば一人の市民です。
市民目線で見たときに、違和感の無いように勤めてほしいものです。
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