2009年10月31日土曜日

ファイティング・シェフ


『ファイティング・シェフ~美食オリンピックへの道』を見た。

2年に一度開催されるフランス料理の国際大会“ボキューズ・ドール”
を舞台に、世界一を目指すシェフの戦いを追ったドキュメンタリーで
料理の鉄人の世界大会版といったところか。

現代フランス料理の生みの親と言われる、ポール・ボキューズ、御歳83歳。
まさにゴッド・ファーザーって感じの描写なんだけど、この人の呼びかけで、
リヨンで開かれている大会で、24カ国のシェフが参戦している。
課題の食材を使って、5時間半で作った料理を披露し比べあう。



映画は、予選から本選までを丁寧に取材して作っている。
これまで上位に入ったことの無いスペイン代表が主人公だ。
映像面での演出があまりないお陰で、リアルさが伝わってくる。

まず、各国の予選会を勝ち抜いた代表者は、大勢の先輩シェフたちの
協力を得ながら本選でのメニューを作りこんでいく。

驚くのは、本選メニュー作りでの過程で、周りの先輩シェフがする
「ダメだし」の激しさ。もう、そこまで言うかっていう好き勝手ぶり。
特訓なくして勝利なし、とは言うけれど。
辛さをモチベーションに換えられる精神力がないともたない世界だね。



特別コーチとして招いた前年度優勝のシェフの言葉も興味深くて、

「コンテストの料理はレストランの料理とは違う!」

シェフが腕を振るうんだから旨くて当たり前。
大事なのは見た目、驚きとくる。う~ん、それがフランス料理か!

本選では、キッチンのシェフを応援する観客席の様子が楽しい。
まるでサッカーの試合みたいで、どんだけ騒ぐの?って感じ。



主人公が優勝候補筆頭のフランス人シェフの盛りつけを見て、
あまりの見事さに言葉を失うシーンは印象に残ったな。
いわゆる「芸術的?」っていうのかな、退廃的な感じがしてよかった。

映画の終わりに、家に帰った主人公が、母親の作ったパエリアを
食べるシーンがあるんだけど、そこが一番旨そうだと感じた。

この映画で、フランス料理人の世界がちょっと身近になったかな。



半券。シネマズデーは安くなるので嬉しい。

 こぢんまりとしていい劇場だ
 

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