2009年12月5日土曜日

遺漏なきように...


事業仕分けのようなキビシイ目を、決算にも向けるべき
そういうコメントをいただいた。

そのとおり!です。


都議会では、与党(民主党)はH20年度決算を不承認とした。

新聞記事によると、新銀行への追加出資があるから不承認とし
それに対して自民党は、予算執行に瑕疵がないのだから承認すべき
としている。
与党時代に決めた予算に対する決算だから、甘めの意見かもしれないけど
野党が執行に瑕疵なしというのは面白い。
ちなみに、石原さんは不承認にも「痛痒を感じませんな」。
地方公共団体の長は、直接選挙で選ばれてるので、予算執行について
強い権限を持っているためだね。
それでも、これをきっかけにより厳しく決算の内容が問われるようになればいい。


いまだに公共には、売り上げ概念やコスト意識はない、と見える。

それは、サービスや商品を、わかりやすく説明して販売する
(選んでもらって、お金を払う決心をさせて、お金を回収する)
ことがないので、どうしても、そういう視点が足りないんだな。
公共には、真面目で仕事熱心な人がとても多いし、
支出を抑えようという意識を持つ人も多くいるけれど...

仕事において費用収益対応というのが皮膚感覚としてないので、
組織としての投資判断がにぶくなる。

糅てて加えて、意志決定の過程に、組織の理屈、議員・議会、
市民団体などの圧力団体、などなどの思惑が絡んでくるので
「なんのためにお金を使うのか、使ったお金に見合う成果があったのか?」
の詰めが甘くなる。

しかも、予算編成に割ける時間は少なくて、とりあえず翌年度の
事業ができるように「遺漏なきよう」予算申請することになる。
(外から見ると、翌年度予算を夏から考えてるんだから、検討時間が
 たっぷりとあるように見えるけどねえ)
そうして、ダダダッーと走ってきて、気がついたら
公債の山が出来ていて、走り続けないといけない、という状態だ。

これどうやって返済するの?ってくらいの規模になった
国債残高を思うと、いまやわが国の予算執行は「国債の信認」に
係っている訳で、市場が納得するような結果説明=決算は
これまで以上に大事になるんだろう。


決算なんてテキトー、プライマリーバランスも知らな~いなんてなると
「償還されない危険性がある日本国債は買えないね」と信認を得られず、
国債の受け手がいなくなるかも!

う~ん、円貨主体の資産形成はすこし危険な気がする。
それどころか、日本ってちょっとやばくね?と感じてきた。
だけど、他国に移り住む能力のないぼくには、逃げ道ないよなあ。
他の通貨等を持つとしても、安定して金融市場に参加できるという
前提がいるし、イザとなると、どの国も保護主義的になっちゃうし。
だから金を買う人が増えるのかな...



>決算で黒字になる事業じゃないから税金でやるのだと
 トンチンカンなことを言われちゃいますけど...

ああ、そういう思考停止状態の人っていますね~、あちこちに。

税金でやることと、公共の組織(公務員)が行うことはイコールではなく
民間事業者に対価を払って公的な役割を担ってもらうことは増やすべきで
そこでも決算は大事になるな。
「公民連携」では、公共の決算と、各事業者の決算がつくられるので、
事業内容の支出と効果がより透明になっていくと思う。


公共だから無料~低廉な価格で、と思う市民のヒトもたくさんいるけど
無償でできることなんてない。なにか「資源」が必要なのよ。

ただ、お金をあまり掛けずに事業をすることは考えられるかも知れない。
地域住民の人たちに参加してもらうとか。
そのときに、どのくらいの資源の投入が必要なのか?を考える手立ても
過去の決算資料になるわけで、決算を蔑ろにはできない。


積み上がった公債は、いよいよ無視できない状態だ。
なぜこんなになっちゃったんだろう。

公共サービスと税負担が見合っていないのか?
公共サービスの提供に無駄がたくさんあって公債の山ができたのか?
今がよければいい、将来は知らないとして贅沢しすぎた結果なのか?
(箱もの作る仕事で食いつないで、できた施設は不良資産化して...)

いろんな顔したタックスイーターがあちこちにいるからなんだろうけど
そいつらを殺していかないといけない。

決算をしっかりやって、国民一人一人が公共の財政状態と向き合って、
どんな社会を作っていきたいのか?
借金の山はそれを問いかけている。
まず間違いなく、納税やら社会参加やらの負担が増えることになるけど
その辛さを前提に議論していかないと、もう社会システムは維持できない。

大変だけど、でも支え合っていく。そこに日々の楽しさがある(とイイな)。
そんなふうにしていきたい。
ほろ酔いのアタマで、John LennonのImagineを聞きながら、
そんなふうに思う。
 
 

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