2009年7月10日金曜日

田村麻子のリサイタルに行ってきた


七夕の夜に2度目のリサイタルへ行った。会場は府中芸術の森だ。
19時の開演直前に席に着くことができた。間に合ってよかった。

 

まず驚いたのは、まるで別人のようなこと。
もちろん、すばらしい歌手になっていたんだ。

以前は、すばらしい技術をもつ歌手という印象だったけど
この日の田村麻子は、情熱的で劇場全体を魅了する歌手だった。

田村麻子の歌う姿を見ていると、歌手とは、自らが歌と
向き合い、それを解釈して、そして表現する存在なんだ
芸術家なんだということが、良くわかる。
歌手が、歌、楽譜、旋律を見事に支配しているんだ。

伸びやかで、軽やかで、でも存在感のある声。
さまざまな音の要素が何層にも折り重なったように感じる。
(ちょっとミルフィーユを連想した… 空腹だったのか?)



リサイタルは二部構成で、第一部は次の曲を歌ってくれた。

 シューベルト 至福、アヴェマリア、糸を紡ぐグレートヒェン
 ドビュッシー “4つの青春の歌”より、パントマイム、月の光
 ドリーブ    カディクスの娘たち
 グノー     オペラ“ファウスト”宝石の歌

アヴェマリアは、とくに独自の解釈がされていて、気に入った。


休憩を挟んで第二部のスタート。



赤いドレス姿で登場すると、会場から「ほぉ~」というため息が漏れた。
観客は、もう完全に魅了されてしまっている。

 賛美歌    アメージング・グレース
 童謡      七夕さま
 中田喜直   霧と話した
 新井 満    千の風になって
 黄自      バラの3つの願い(メイ・グイ・サン・ユアン)
 ヘンデル   オペラ“ジュリアス・シーザー”より
          難破した小船は
 バーンスタイン オペラ“キャンディード”より
           華やかに着飾っても

~encore~
 Secret Garden You raise me up
 山田耕作    この道
 竹久夢二    宵待草


ちょっと残念だったのは、衣擦れや、復路のがさがさする音、
咳、かばんを落とす音、アラームなんていう雑音を出す観客が
何人かいたこと。
もっと歌手に真剣に向かい合ってほしいものだな。

CDにサインをもらって、記念写真まで撮った。
田村麻子のお母さんが古いお友達なんだ。
でなければ、こんな大スターと写真は撮れないよ。
うれしいね。

それとは関係なく、この歌手は、もっとずっと良くなるよ。
これから聞き続けてみたいと思う。
 
ソロリサイタルもいいけれど、男性の声も交えたほうが
より面白いだろうな、と思った。
そうしたら、次回11月は石坂浩二が訳したシューマンの歌曲集
「リーダークライス」を、バリトンの歌手とともに歌うんだって。
これは楽しみだ。
 

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