2009年7月18日土曜日
国立西洋美術館のファン・デー
先週末は、年に一度のファンデーで、無料で入場できた。
今年は、この建物が、他のル・コルビュジエが設計した建物と
ともに世界遺産に推薦されていた。そして世界遺産委員会の
審議では、ル・コルビュジエの作品群の顕著な普遍的価値の
存在は認められるべきだという意見だった。
でも、投票では世界遺産リストへの記載は認められなかった。
その代わりに、1段階低い「情報照会」となり、結論は2010年
以降の審議に持ち越された… という経緯がある。
なので、混んでいると思ったけど、そんなことはなくて、
落ち着いて観覧できた。
まずは、「ル・コルビュジエと国立西洋美術館」展だ。
コルビュジエといえば、巨匠!
フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと共に近代建築の三大巨匠と呼ばれるね。
ヴァルター・グロピウスを加えて四大巨匠とすることもある。
その彼が設計したのが国立西洋美術館。
戦後、フランス政府から返還された松方コレクションを
収蔵公開する施設として、1959年に上野公園に開館して今年で50年。
それを記念した本展で、コルビュジエがここをどんな
思いで設計したかが解説されている。
(浅学なワタシは、ここが日本で唯一のル・コルビュジエ作品で
あることをこの展覧会で初めて知りました)
興味深いのが、50年前に彼が考案した技術をベースに「無限成長美術館」
構想で実現したということ。
美術館活動により収蔵作品が増え、収蔵・展示・教育スペースの拡大が
いずれ必要になる。そのときに横に拡張できる、建物の成長を予定する
という考え方がいいじゃないか。美術館をよく考えている。
そしてコルビュジエの特徴が分かりやすく紹介されている。
メゾン・ドミノ
第1次大戦後、フランドル地方の復興を目指し、「量産性」を
重視して、素材ではなく建物全体としてコンクリートを用いた
集合住宅(壁でなく、柱と床の構造が特徴)
モデュロール
人体の寸法と黄金比から作った建造物の基準寸法の数列
近代建築の5原則
ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平に連続する窓
自由なファサード
展示を見た後に館内を歩くことで、自然に建物への理解が深まるように
企図されていて、いい展覧会でした♪
これに続いて常設展示。
さすがは国立西洋美術館。すごいコレクションだ。
この日とくに気に入ったのは
『悲しみの聖母』 カルロ・ドルチ
『猟の獲物と野菜のある静物』 ユトレヒト
『ラ・シェスタ スペインの思い出』 ギュスターグ・ドレ
『ピアノを弾く妻イーダのいる室内』 ハンマ・スホイ
その次には、
『ダヴィデを装った若い男の肖像』 ティントレット
『三連祭壇画』
『十字架のキリスト』 エル・グレコ
『聖トマス』 ラ・トゥール
『春(ダフニスとクロエ)』 ミレー
『帽子の女』 ルノワール
『睡蓮』 モネ
『接吻』 ロダン
『絵画』 ジョアン・ミロ
『坐る女』 藤田嗣治
『狂女』 シャイム・スーティン
『ジャン・ルノアール夫人』 アンドレ・ドラン
常設展示でこれだもの。すごいや。
ここまでで時間切れ。「かたちは、うつる」はまた今度。
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