2009年11月6日金曜日

日航問題に感じたこと


日航OBが、年金給付削減に反対する書面(特別法には財産権の
侵害で戦うぞ!)を厚労相に提出するニュースを5日の夜、TVで見た。

ニュースでは、手厚い企業年金のことも紹介していた。
特別法の法案作りは国交省が主導しているという記事もあった。

そして今日、前原大臣は日航OBに年金削減を求める発言をした。

TVや新聞を見て、公的色彩が極めて強い会社だから、公金を
投入する(企業再生支援機構を使う)ことを政府は検討している。
それには年金給付の削減を前提に世論作りをしていく、というのが
いまのぼくの理解だ。


疑問はたくさん出てくる。

○ なぜ、再建が必要なのか?
○ 再建が必要だとして、なぜ国の管理が必要なのか?
○ 年金債務の圧縮でことが足りるのか?
○ 規模の縮小のほかに、どういった対策がありうるのか?

公金を使うのなら、地方の赤字路線を抱え込んだ理由も、
赤字の質も明らかにしてほしい。
全日空も同じように地方航路を持っているが、昨今の不況でも
屋台骨が揺らいでいないところをみると、これまでの日航の
「経営」に問題があると見るべきだろう。
経営の誤りを総括しないまま、公金を投入しても、無駄遣いに
終わってしまうような気がする。

政府は、国の管理下での再建にこだわっているようにも映る。
その割りに、再建策のビジョンは無い。
法的整理にできない理由はあるんだろうか?

今のところ規模縮小だけが対応策として聞こえてくるけど、
国鉄のように分割してはいけないのだろうか?

地方航路を受け持つ会社に分けて、それらはMRJを飛ばすと
したほうが展望が開けるんじゃないかな。



年金債務(積み立て不足)の扱いも微妙だ。
日航OBの意見は正しい。

このアイディアは、いずれ傾いた企業を再生する方法として
他の企業でも援用されるようになるし、そうなると、こんどは
企業年金への信頼を損なうという別の問題を生むように感じる。
他の多くの企業も積み立て不足で悩んでいるからね。

日航の企業年金は手厚すぎるから減らすべきだ、という
感情論になってはいけない。

現行制度でも、企業が破綻して法的整理になれば、積立不足分は
自動的に減額になる。
特別法は、年金制度への信頼を揺るがすので、そんな立法措置を
やめて、日航そのものを法的整理したほうがよいだろう。


スピードが必要なのは分かるけど、法的整理のほうがよい結末に
なるような気がする。

ほろ酔いで理屈っぽくなったかな...
 

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