2009年11月10日火曜日

21作品との新たなる出会い展


半年振りに中村正義の美術館を訪ねてきた。
紅葉にはまだちょっと早いけど、秋晴れの気持ちのいい日の午後に
ゆっくりと鑑賞できた。

 

相変わらず静かな美術館だ。
館長さんが入れてくれたお茶を頂きながら、ゆっくりと
絵に向かいあえる。

正義というと、舞妓や顔のシリーズ、そして源平合戦絵巻の
印象が強いけど、今回は若いときの作品を中心に組んでいる。



『芙蓉』を見ると、若くして天才と言われたのがよく分かる。
もしかしたら、日展の関係者などは、正義に奥村土牛のように
なってほしかったのかもしれないな、なんて思った。

正義自身は、日展の枠に収まることを善しとせず
結核と闘いながら創作活動を続けていったんだけど、
今回の展示は、療養生活のときに作った作品や、友人などと
交わした手紙や自画像の習作(これがすごく楽しい絵だ!)が
紹介されていて、正義の人となりを感じることができる。

とくに印象に残ったのは
 『薔薇』
 『木立』
 『冬山』
 『関ヶ原』
 『森』

療養を終えた正義に、世間は変化・熟成を期待してるとの問いに
「考えるだけで、何かが変わることはない。変に変わらなく
 なっただけ」という言葉を残していて、それだけを聞くと
固いお人かと思うけど、残された絵や手紙を見ると、それは違う
ことがよく分かる。

岩絵具が紹介されている。

2階の展示室には、油絵具や泥絵具、炭を使った作品もあって
岩絵具以外の画材でも創作を試みたことが分かる。
正義の絵なんだけど、なんか違う、ビミョ~な違和感が面白い。

ただ、初めて中村正義を見る人には不向きな内容だな。

と、思ったら、帰るときに、丸木美術館での展覧会の案内をもらった。

ちょっと遠いけど、行ってみるか。
 



正義はこんな里山の景色が好きで細山に来たんだろうな。
 

0 件のコメント:

コメントを投稿