“チェ・ゲバラ”の生涯をつづった映画
『CHE 28歳の革命』『39歳 別れの手紙』を
新文芸座で見てきた。二本立てはちょっと疲れる…
朝早い回なのに満席。人気あるんだな。
見終わったとき、とくに後編がヘビーで救いの無い映画だと思った。
キューバ革命のとき、これで彼らは世界をも変えられると
思ったのかもしれない。
そして、カストロに別れを告げ(この言葉は胸にぐっとくる)
ボリビアで再び革命を起こそうとしたが、そこでは外国人扱いされて
大衆の支持を得ることはなく、孤立したまま逮捕されて処刑される…
革命の熱気は過ぎ去って、もう武装闘争では世界を変えられないって
感じを受けた。
一晩たって、伝説的英雄であったゲバラという人の生き方そのものを
描こうとした映画なのかなと思うようになった。
それならば、前編と後編の対照も理解できる。
ゲバラの理想は「共産主義」とはまったく異なるものではないか?
だからいまも注目されるんだと思う。
「死をも恐れぬ勇者」「不屈の戦士」「純粋な革命家」「詩人」
ゲバラのもつ姿は多面的だ。
勇敢で、折れない心を持つ、持病にも負けないタフな男。
しかも、勤勉で働き者。金持ち願望は皆無である代わりに、
不正は許さない(若いゲリラ兵が、戦勝後に政府軍幹部のものだった
アメ車を乗り回していたのを諌め、信じられないことだと言った
シーンが印象的)。いつも献身的で率先垂範。信念がある。
そんな人だから、残された写真の表情に惹きつけられるのだろう。
ゲバラには、命をかけても貫きたい理想があった。
志を持つ崇高さ、その志は犠牲を強いること…
感じるものがある映画だった。
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