2009年6月28日日曜日

日本の美術館名品展


都美館の「日本の美術館名品展」に
行ってきました。

いい展覧会でした。
見所が多すぎるくらいです。



日曜午後の後半、雨も降っていてましたが、大勢が来ています。
それでも、作品にちゃんと向かい合うことができました。

各地の美術館を代表するような作品が一堂に集まっています。
1800年代から最近(70年代くらいまで)を一度に辿れます。
わが国にも、これだけの作品があるんだと、驚きました。
日本はmuseum island といっても過言ではないでしょう。
まるで出雲の神在月状態なんです。
他の館は大丈夫なのか?と心配になるくらい。

「お久しぶりです」という作品もありましたし
「初めまして、よろしく」という作品もたくさんありました。

強く印象に残ったのは
 『読書する二人』 ルノワール
 『人体測定 ANT66』 イヴ・クライン
 『空間概念』 ルーチョ・フォンターナ
 『男と女』 中村正義
 『D氏の骨抜きサイコロ』 堀内正和

その次には、
 『エラニーの菜園』 カミーユ・ピサロ
 『サン・ニコラ河岸から見たサン=ルイ島』 ルソー
 『なでしこを持つ若い女』 モーリス・ドニ
 『「E.R.キャンベルのための壁画No.4」の習作』 カンディンスキー
 『ノルヴァン通り』 ユトリロ
 『海は近い』 ポール・デルヴォー
 『スプリンクラー』 ホックニー
 『ダイヤモンド・ダスト・シューズ』 ウォーホル
 『ユダヤの少年』 メダルド・ロッソ
 『両手のベートーヴェン』 ブールデル
 『弦のある形』 ヘンリー・ムーア
 『海岸の牛』 坂本繁二郎
 『冬枯れの道路(原宿付近写生)』 岸田劉生
 『カルピスの包み紙のある静物』 中村彝
 『雪』 佐藤敬
 『橋(東京駅裏)』 松本竣介


多すぎて、もう忘れているものあるでしょう。


今回の企画は、美術連絡協議会の設立25周年記念事業です。
美術館同士のつながりを強くして、企画力や学芸員育成力を
高めようという目的のものです。
常設展示の作品で、ここまで魅力ある展覧会が作れたのは
協議会の成果でしょう。

それにしても「あの作品に会いたくて、出かけていく」と
いうのは、どのくらいあるのでしょうか。
お芝居やコンサートなら、よくあるのでしょうけど…
多くの美術館がある東京にいると、企画展を回るだけで、
満足してしまい、ぼく自身は、わざわざ会いに行くことは
少ないですね。

バブル後の財政再建で、作品収集は難しくなり、運営でも
将来的な計画や人の育成まで手が回りにくくなった実態が
あって、それが企画展中心になった理由のひとつと思います。

指定管理者制度や、独立行政法人といった技術的なこと
ではなくて、美術館・博物館をどうしたいのか?という
議論がもっともっと必要でしょう。
貴重な税金を使う価値はあると思ってるんですけどね。

地元の美術館は、地域の人たちの心、感覚を刺激して
「感性」を育てていく場所にしたいものです。
いきいきとした鑑賞・体験・作成の場所になり、それが
他の地域の人たちとの交流も生んでいく、そうありたい。

港区には公立美術館はないから、たくさんある民間の
美術館を結び合わせていくことが大事なんでしょうね。
 

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