2009年3月10日火曜日

マルエツの四半期決算を読む

さて、マルエツの決算について書こうと思ってから
早2週間が経ってしまいました。
同社の2009年2月期の第3四半期決算はとてもよかったようです。
 → 決算短信

営業収益 2,512.34億円(前期比102.2%)
営業利益   62.26億円(前期比112.9%:営業利益率2.47%)
経常利益   58.66億円(前期比116.0%)
当期純利益  58.24億円(前期比174.7%)

とくに店舗売上推移が順調です。
このご時勢では「絶好調♪」といえます。

昨年、港南シティタワー店のほかにも、白金台、護国寺、勝どきにも
店を開きましたし、決算資料によると行徳や越谷レイクタウンにも
開店したとあります。
いま総店舗数は241店舗で、日本の食品スーパーマーケット業界では
「最多」の店舗数
です。これは初めて知りました。

連結の損益表から利益面をみると、原価率は72.2%(昨年72.3%)と
約0.1%を改善させています。
昨年前半の値上ラッシュに耐えた努力が伺えます。
その結果、粗利率は29.7%(29.6%)、経常利益率は2.33%(昨年2.0%)
の0.3%upと好調です。販管費率も、27.2%(昨年27.4%)と約0.2%改善
しています。
個別の損益表からは、原価率は71.9%(昨年73.8%)と約2%の大幅改善。
マルエツ・ポロロッカ・フーデックスで原価改善の努力が実を結んで
いるんでしょう
(マルエツさん、消費者還元もよろしくお願いします!)
そして連結純利益は好調ですが、前期に比べ特損が減って特別利益が
増えたことなので、商売が好調とはコレだけではいえません。

商売としては、経費率の抑制は引き続きの課題で、そのためには
 (1)一層の経費削減
 (2)販売効率の向上。売上の坪単価を引き上げ、相対的に
    固定費を下げる戦略的な店舗づくり
をしなければなりません。

それはね、魅力的なものをお買い得な値段で並べてくれればいいのですよ!
マルエツさん。

さて、キャッシュフローの状況は、好調な売上が寄与して、営業CFは
116.7億円。投資CFは新店投資などに投資を行い▲33.5億円で、フリー
キャッシュフローは83.2億円とプラスです。ここから、財務CFとして、
短期借入金35.0億円、コマーシャルペーパー20.0億円などを返済し、
▲63.9億円と大幅なマイナスですが、それでもトータルでは19.3億円の
プラスとなり順調です。
特徴は、好調な売上と利益を背景に負債圧縮に努めたことでしょう。
自己資本比率も41.2%(37.9%)も改善しています。

もっとも、出店にかかわる資産(土地、建物、保証金)の合計は
902.1億円(昨年842.2億円)と、総資産の70.7%です。
これを自己資本比率41.2%と比べると▲29.5%であり、まだ負債に
依存した新規出店構造
といえます。
ちなみに、1店舗当りに換算すると、3.74億円であり、小型店が
多いせいか、一店舗にかかわる資産は比較的低い感じです。
ただ、B/Sのうち土地が289億円(230億円)と59億円も増えて、
保証金が19億円減っているのが気になります。
これは4月に発表される本決算の資料を待ちましょう。

全体としては、好決算を生かして健全な財務運営をしている
ような気がします。
節約志向を追い風に今後も成長路線を進めるのか注目しましょう。

なので、今回の港南店の改装は後ろ向きではなくて、
早めのてこ入れと理解しています。


株価はあまり冴えませんね…

 

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