2010年1月14日木曜日

東京タワーについて


アートマネジメント講座の課題発表としてつくられた展覧会が
慶應大学の東館展示スペースであった。

 

   


よかったところは

・市民の創造性をよく引き出している。
 ボイスのEveryone is an Artist. のコトバを思い出させる

・共通のテーマと多くの作り手の組み合わせから
 様々な視点を提示している。
 タワーが作られた昭和30年代の空気、街中に溶け込むタワー
 エッフェル塔との相似 etc...

 
東京タワー土産の変遷 / フランス大使館から借りた貴重な本


ちょっと残念だったのは
・展覧会のねらいを記した文章がなかった。
 Webにはあるので、入口に掲示するか、プリントを用意したら
 もっとよかったかも。

・過去から現在までをよく捉えて、様々な姿を示しているけど
 「これから」の言及はほとんどなかった。

   

限られた期間、資源、作家(とあえて言う)をまとめて
ちゃんと鑑賞できる展示をつくり、そして見終わったときに、
暖かい気持ちになるから、さすがは渡部先生なんだけど。
アート活動なのだから、「世界観」をゆさぶる展示なら
もっとよかった。




東京タワーは、電波塔としての役割を失ったとき、
経営の屋台骨が大きく揺らぐはず。
もしかしたら、会社としてはタワーを維持できなくなり
公共に支援を求めてくるかもしれない。
そのときに、貴重な風景をつくっている文化物として
みんなで残すべきなのかどうか、議論になるかもしれない。
厳しい財政をやりくりしても維持するべきか、あるいは
お金がないので、風景が無くなる喪失感に耐えるか。
日本電波塔は無くなるなることの可能性を否定しているけれど。

建物というのは意外ともろくて、必要ないとされたら
すぐに消え去ってしまうもの。永遠のものではない。

東京タワーは、東京の一つのランドマークとして
半世紀の間に、多くの人に記憶された存在だけど
やはり永遠のものではない。

自分が親しんでいる風景の大切さを感じさせたら
もっとこの展覧会の意味が深まったろうな、と思った。
これは自分の反省でもあるけれど。



1/14 防災推進ダイヤモンドヴェール



ここまで書いて連想したのは、

2008年のオバマ大統領終任から昨年の政権交代まで
「変化」の季節だった。

いまは、その変化がどちらに向かっていくのか?
その先に何があるのか?を模索しているとき
のような気がする。


アート活動は、そういった社会の動きとリンクするものだろう。
これは心に留めておきたい。
 

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