2009年5月19日火曜日
名匠 小津安二郎
16日の夜、池袋の新文芸座に、小津安二郎の映画を見に行ってきました。
新文芸座に行ったのは初めてです。
定期券を忘れたため、きっぷを買おうと売場で案内を見たら、
品川から池袋までの山手線は片道250円。へぇ~そんなにするんだ!と
思いました。なんとなく190円くらいかな、と思っていたのです。
Suicaになってから、切符代をあんまり気にしなくなったような
感じがあります。
それはさておき、小津作品を勧められて行ってみたのですが、
これがとても良かった。
「秋刀魚の味」は小津安二郎監督の遺作。
初めて見た小津作品です。昭和の香り漂ういい味出してる映画です。
秋刀魚の味ってタイトルですが、サンマはでてきません。
会話にもありません。
とすると、サンマは秋の象徴なんでしょうね。
人生の秋の時期の物語なので、焼けばおいしいけど、ワタが
ほろ苦かったりというサンマの味が、小津のイメージに
合っていたんじゃないかな。
いい俳優さんがキャストに名を連ねているんですが
最初から分かったのは笠智衆だけでした。
娘役が岩下志麻だったり、BARのマダムが岸田今日子だったりは
よく分からなかったし。エンドロールでも紹介されないからね。
でも、それが分からなくても、とても楽しめました。
まず、俳優の演技力がすごい。これは当たり前かもしれませんが
所作、表情、声、相手の言葉を受けてから答える、といった基礎が
しっかりしているのです。
一つ一つの動きで、心の動きを想像させる演技がふんだんにあって、
見ていてとても面白い。
画面の絵(構図)もよくできています。
派手さは全くないけれど、見やすくて分かりやすい映像です。
脚本もよく練られています。
抑制されたような、おちついた言葉の連続なのですが
演技と相まって、心のありようを見るものに想像させるんだ。
これは他の作品も期待できそう。
『晩春』『麦秋』『東京物語』をまず見てみようかな。
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